リバース×リバース/ 天乃忍 1巻 感想

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伝統ある全寮制の女子校、清歌女学院に入学した主人公、七瀬雛。小説を書くのが趣味だが、過去にその小説を見せた男の子に目の前で原稿を破かれ、それ以来男性恐怖症となってしまった。

寮で同室となったのは雪野楓という女生徒。品行方正、才色兼備の全校生徒憧れの的。
七瀬は困っているところを雪野に助けられ、それ以来雪野に憧れ、好いている。

皆から注目される雪野だが、そんな彼女も身勝手な祖父から逃げてこの学校に入ったという何もかも上手くいっていた人生ではなかった。

ある日、七瀬、雪野、雪野の幼なじみで理事長の娘、天海優里と三人でお昼を食べている際、七瀬は自身の男性恐怖症の経緯を二人に話す。

それを聞いた雪野は、ひどく動揺していた。雪野には、周りには隠していた大きな秘密があった…。

【感想】

「ラストゲーム」作者の最新作。2巻が出る頃らしいですが、1巻の紹介です。

ラストゲームが好きな僕としてはこの作者さんには信頼を置いており、こちらも面白いです。

前情報も裏表紙のあらすじも見ずに読んだので、1話の流れは、なるほど~と思いましたが、これ公式でバラしてるんですね。

なのでここでも書いてしまいますが、雪野楓は実は男で、七瀬のトラウマを作った張本人。祖父から逃れるために、従兄弟である天海の計らいで女子校に入学し身を潜めているという設定。

天海が中々良いキャラをしていて、わざと思い出の七瀬との同室を決めたり、女として七瀬とやりとりをする雪野をいじったりと秘密を共有する唯一の人物としてはパンチの効いた面白いキャラです。

雪野は過去に七瀬にトラウマを植え付けたことをひどく後悔していて、いざ本人と会ってからは申し訳なさとしっかりしなくてはと言う意識が強く、すごく真面目。そして七瀬のことを思い続けるうちに、好意に発展するという。

七瀬は雪野のことは大好きですが、トラウマを植え付けられた例の男の子のことは大嫌い。これがまた話をややこしくさせますし、面白い要因でもあります。

金田一蓮十郎の「ライアー×ライアー」にも似た、倒錯もの。こういった実際はあり得なさそうな設定、少女漫画では外れなしです。
設定はしっかり作られていますが、話を重ねるにつれ嘘も重なっていく様が本作も面白く、収集が付かなくなっていくところをどうまとめるのか、気になります。

作品の雰囲気がすごく柔らかく平和なので、トゲのあるエピソードや展開はあまり期待したくないというのが個人的な思いですが、どうでしょう。この作者なのであまり不安はないのですが。

ちなみに、最後にラストゲームの特別編を収録。これもまた期待を裏切らないエピソードですので好きな方は是非。

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