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この巻は物語はあまり進まず、これまで訪れた乙嫁の短編がいくつか。
「閑暇」というタイトルで、それぞれのキャラの暇を描く話は、ゆったりした時間の中で、それぞれのキャラがそれぞれの時間を過ごす様子が見られます。
何も起こらず、ただの日常、ただ時間が過ぎていくだけの様子でこれだけ心地よくなれるのはこの作品の最大の特長ですね。
スミスはカメラを持って、これまでに来た道を戻る旅路。
まずはアニスとシーリーンのところ。二人の仲睦まじい描写は、森さんの趣味全開の華やかな装飾が有り。一枚絵として飾れるのでは、というくらいの気合いの入ったショットは必見です。
今回、スミスがタラスとの会話でこの旅の目的をしっかり語りましたね。言語の地域的特徴を調べて、そこからその地域の考え方や文化を知る…そのために文字や写真を活用する。
このスミスの知的探求心が実家の方に心配をかけているというシーンもありましたが、こういった行動力と熱量は羨ましい限りです。
あとがきで、森さんもあちこち行かれていて、スミスの行動力はきっと森さんがそうだからなのだろうなと思わざるを得ないですね…。本当に日々楽しそうで、明るくて、尊敬です。こうあれたら素敵だなあと思います。
アニス、シーリーン、タラスの文化が違う者同士の会話も新鮮。顔を出して外を出ることがそんなに…?と思いますし、そもそもタラスが髪を隠していることすらこちらは違和感なわけです。不思議なもので。
最後に撮った素敵な写真も、まあ完全NGとのことですが、これは良い写真ですよねえ。てかスミス持って帰っちゃうんですよね。
カメラを持って少しずつ進むスミスの、まず初めの土地。今回はアニス達がメインでしたが、このまま一つずつ進んでいくと終わりも見えてきそう。乙嫁語りのキャラはみな好きなので、今までのキャラにまた会いに行く展開というのは嬉しいです。
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