映画ですけれども。
鬼滅の刃 無限列車編見てきました。いやー、すごかったです。
テレビシリーズの続きがこんなにも映画としてまとまるなんて。ここまで想定していたのかな。素晴らしかった。
ufotableはやはり、激しい動きのある作画はアニメ制作会社においては圧倒的ですね。特にこういう暗めの作品に関しては、ボンズよりも雰囲気があって良い。京アニやPA、IGだったらどうだったかと想像するのも楽しいのですが、いや間違いなく鬼滅はufotableが正解です。
僕にとってのufotableは、まなびストレートから始まり、テイルズオブシンフォニアのOVAを買い、Fate/zeroで衝撃を受け、空の境界は映画館まで行き、そして鬼滅と……振り返ると何もかもが素晴らしい。
まなびのOPなんかは、林原めぐみの曲が普通に良い曲というのもありつつ、あの、スプレー片手に校舎を駆け回る1分半がとても好きだったわけですが。もうあの時点で既にufoに心は動かされていた気がします。
今回の無限列車編。とにかく戦闘シーンに尽きます。車内を全員で守るシーン、煉獄、善逸、禰豆子、ただ気持ち悪い肉を斬る絵面ですが、こんなに格好良く映るものでしょうか。
夢の中の描写はかなりがっつりと描かれていて少し長く感じましたが、そのぶん炭治郎の幸せな夢を長く見させられることになり、結果、炭治郎が戦う決断をして家族を背に走り出すシーンでちょっと涙腺に来ます。
漫画ではト書きだった部分はかなり省かれていますね。キャラに言わせてたりもするみたい。まあ、ナレーションはこの映画には要らないと思うのでそれで良いです。ただ、漫画を読んだ記憶が残っていて、原作のト書きが脳内ナレーションみたいな形で映画中も表出してきて不思議な感覚に。
そのト書き部分がしっかりキャラの動きで描かれているのが良いです。漫画ももっとそうすればいいのに、と思うのですが…。
漫画でも印象の強かった、「言うはずがないだろうそんなことを 俺の家族が!」と炭治郎がキレるシーン。ここは鳥肌。少し身構えてたのですが、想像の三倍は越えてきました。これも、ナレーションではなく地続きで描いてくれてたからですね。そしてそこから首を斬るまでの勢いがすごい。ここだけでもう何回か見たいくらい。
キャスト陣もとても良い。魘夢の平川のあのねちっこい高い声。炭治郎に斬られて死に行くときの、あの「もう死ぬ」というときの僅かなエネルギーで愚痴愚痴と言い訳を繰り返すシーン、いやらしいですね、敵キャラの敗北に相応しい消え方。悪夢、と自分の能力と掛けているのもふざけてて良い。
そして、猗窩座さんです。第一声ですね。石田彰。シビレます。ちょっとテンション上がりますね。実はキャスト知らなかったんですが、石田!!って、なりますよね。
煉獄との戦いはもう、何も言うことがありません。最初から最後までクライマックス。特に最後の玖の型を放ってからの攻防。体を貫かれても怯まないどころか攻めるという執念。このシーンは圧巻ですね。ずっと手のひらを握りしめていたような気がします。文字通り手に汗握る、といったような。
そして最期のシーン、お母さんが出てきたところでもう大変ですね。この涙は全集中の呼吸でも止まらんでしょう。血は止められてもね、これはムリです。京アニに負けてません。素晴らしかった。
そしてED。もうufoと言えば梶浦由紀というくらいのイメージ付いてしまってますが、まさにそれを地で行くED。全体的な音楽もそうですが、やはり梶浦さんがこの雰囲気に非常に合っていますね。
べた褒めしてしまいましたが、全然大げさではなく、普通に良かった。正直、漫画がそうでもなかった人でも映画は面白いと思えるパターンもあると思います。原作ありきなのは当然ですが、アニメが良すぎました。
連載の普通の1編を映画にまとめてもらって、この完成度は文句ないです。それでも合わない人はいるのでしょうけど、そういう人はそもそも何か根本的にジャンプ的作品アレルギーなんじゃないかな、と思ってしまうくらいマイナス要素がなかった。
強いて言えば、最後少しでもエピローグ的なものがあっても良かったかな…と思ったり、いやそれでも制作側はきっと意図して入れなかったのだろうからそれが正解なのだろうとも思ったり、まあいいやわかりません。
あまりに売れすぎていてあれなのですが、とりあえず、ジャンプをポジティブに読める方達であれば、原作漫画がそうでもなかった人達にも全員にお勧めしたいと思います。アニメは凄いです。
逆にジャンプを楽しめなくなってしまった方達やちょっと斜めになってしまった方達は、どう頑張っても微妙だと思うので見なくていいのかなと思います。物語自体は特段凄い!というわけではないので…。
ただ個人的には、とても良かった。テレビシリーズ全話は見てないのですが、見る気になってきました。鬼滅ブームにしっかり乗っかってますね。心を燃やせ。