繭、纏う / 原百合子 1巻 感想

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星宮女学園に通う横澤洋子は、端整な顔立ちと気品のある佇まいで王子様と呼ばれる佐伯華に思いを抱いている。

この学園では、高等部の生徒は自身の髪で制服を作り、中等部の生徒に渡すという伝統があった。
高等部三年の洋子もその時が近づいている。自身が着る制服も先輩から受け継いだもの。まるで制服自体が息をしているかのような、特別な感覚を洋子は感じていた。

そんな伝統のある学園で、理事長の娘であまり姿を現さない星宮という生徒がいた。星宮と一度面識のあった佐伯は、星宮に特別な感情を抱いていた。

【感想】

変わった伝統のある学園での百合もの。髪で作った制服を代々渡していくという、美しいのか恐ろしいのか…いや、良い意味で捉えないといけないのですが、そんな設定のある学園での話です。

星宮という生徒がまだ謎の存在のままですが、典型的な三角関係。一方通行型なので先行きは暗い…。

お嬢様学校での作品に共通する、どことなく不穏で怪しい雰囲気は今作にもあり、それが儚さや美しさを担保しているというのも例に漏れず。百合作品としてのスタンダードを踏襲していて、好きな方は雰囲気だけでもハマれるかと思います。

個人的には、時系列が少し理解しづらかった部分と、単純なコマ割りやセリフの配置等が少し読みづらく感じてしまったのがマイナスですねえ。
時系列に関しては、それぞれ描きたいキャラの感情やエピソードがあったと思うので仕方がないと思いつつ、1巻ではもっとわかりやすくして欲しかったかなあという気持ちもあります。

コマ割りやセリフなども、テンポもそうなのですが少し独特で、好きな人は良いのですが僕の好み的にはしっくり来ない部分があり…。
強いて言えば、CLAMP作品に近しい感覚。CLAMPさんにも実はそこまでハマれていないというところではあるのですが、読んだ感覚はそれに近い。なので逆にCLAMP作が好きな方にはおすすめできそうです。

まああくまで好みの問題で、絵は綺麗で百合作品として雰囲気は抜群です。髪の設定も、1巻ではあまり目立たないですがこれは今後に活きるものですし。お嬢様系の百合が好きな方ならアリです。

しかし、ハルタじゃなくビームで連載というのがこの独特さを増幅させている気がしますね…。少し納得。

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