薬屋のひとりごと / 原作:日向夏、作画:ねこクラゲ、構成:七緒一綺 1巻 感想

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後宮の下女、猫猫(マオマオ)は先日人攫いに誘拐されその身を後宮に売られ、それ以来三ヶ月、下女として働いていた。

働いた金は人攫いに間引かれるためやる気も出ず、文字の読み書きが出来るがそれがバレて目立つよりも、大人しく働いていればそのうち出られるだろうと達観していた。

とある噂が流れる。帝の御子が三人、幼いうちに亡くなるという事件が起きている。病気か殺しか、原因は分からず呪いだと噂されていた。そんな中、現在の御子二人の元にも医者が入っていったという。

薬師をしていた猫猫。その現象に心当たりがあり、二人の妃の元へ文を置いた。

その文を見た後宮の宦官である壬氏という男が目を付け、猫猫は妃の元へ連れられる。文の主が自分だとバレ、観念した猫猫はこの不可解な死の謎を説明。感心した妃は、猫猫に自分の侍女にならないかと申し入れた。

【感想】

薬師の女の子が、宮廷での出来事や事件を解決していく物語。

人攫いに誘拐され後宮に入って、そこからはただ働くだけというのも中々肝が据わっているというか、身寄りもいるっぽいですがその辺気にしてないのか、気にするだけ仕方ないと思っているのか、とにかく色々と開き直ってる良い性格の猫猫。

 

薬屋のひとりごと 1巻 1話

その性格も薬のこととなると一変し、調薬が趣味で子供の頃からマッドサイエンティストと怪しまれるほどの薬マニア。
宮廷では毒味の役をやらされますが、全く応えてない様子で…これはただの変人…。
その薬の博識さから、壬士というイケメンに目をかけられ色々と手伝わされることに。

 

薬屋のひとりごと 1巻 2話

初めに足を突っ込んでしまったのは猫猫ですが、まあ相手が悪かったということですね。壬士にいいように使われ、事件や謎に対して薬の知識で解決していくといったのが1巻の流れでした。

 

薬屋のひとりごと 1巻 1話

原作は「なろう系」の小説。そのイメージは今作を読んだ感じあまり見受けられなかったのですが、色々なバリエーションはあるのでしょうね。
ミステリーというよりは淡々と進んでいく話。猫猫は巻き込まれただけで初めからやる気があるわけでもないので、壬士との関係性という面も注目できる部分です。猫猫の表情が豊かで面白いですね。壬士を見るあの根っからに嫌そうな目が良い。笑
ジト目の女の子キャラの最たるところに位置しますね、これ。

 

薬屋のひとりごと 1巻 2話

 

薬屋のひとりごと 1巻 2話

 

薬屋のひとりごと 1巻 4話

おそらくこの作画あってのことで、絵はとても整っていて綺麗。
どうやらサンデーGX版もあるようで(こちらはビッグガンガン)、作画も違いストーリーの進行度も違うそう。大筋は同じようですが、こちらの方が少し進みが遅いようです。コミカライズが多岐にわたるのはよくありますが、全く同じ話というのは珍しいかも。それだけの人気作ということでしょうかね。比べられることになり書き手は大変そうですが…。

正直話自体は、この1巻だけですとインパクトに欠けるというか、ミステリーにしては弱い印象です。侍女として働くにしても猫猫はただ引っ張られているだけですし、最後の話も中途半端なところで終わっているので消化不良感もあり。たぶん、原作を知っているかGX版を読んでいないとこの辺り拭えないのかも。
キャラの魅力は十分あります。正直、そこが良くて読み進めていたくらい。2巻以降はもっと話も進展していくでしょうし期待感はありますが、この一冊単体だと何だか惜しい気がしてしまいました。