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とにかく尊い二人の生活、3巻です。
まず始めは姫子のおじいさんと文治が将棋を打つ話。ここで初めて文治と姫子の婚姻に関する謎が明かされます。
まあこういうことだろうとは思いつつ、普通の理由でしたので逆に安心しました。おじいさんも自分のわがままだということも分かっていてのことです。当然恨まれても文句は言えないものですが、文治も姫子もこの結婚に対してネガティブではないので結果オーライということで。
また、今回は姫子の学友が二人登場。自由気ままで愛嬌のある野々目と、意地が悪いが素直になれないところが可愛らしいリン。この二人がそもそも付き合いがある、というのが良いですね。リンは少しミーハーな感じですが、典型的なツンデレタイプでかわいい。都会から出てきた姫子に対して当たりが強いのですが、野々目が間に入ると上手くいかない感じが微笑ましい。
その後、二人は姫子の家に遊びに来ます。
素直になれない感じも良いです。ウブなのはやはり小学生ということで、かわいらしいですねえ。
名古屋観光の話では姫子が文治との年の差を強く感じるシーンが印象的。コメディチックに描かれつつも、姫子にとっては大事なわけです。
さすがに30過ぎの将校と小学高学年の女の子というのは対等な恋愛をするには中々難しいでしょうが…姫子はいつでもその年の差がコンプレックス。文治を好きすぎるが故というところが純粋。
そんな姫子の悩みを正面から受け止めてくれる文治。出来た男だ…。
文治が姫子を思っていること。
それが恋愛感情なのか、守りたいと思う気持ちと結婚が結びつくのかどうかわかりませんが、少なくとも姫子を尊敬していて姫子が大切だということは伝わってきます。
何より姫子から好かれているという事を文治は分かっているし、それにより救われていることにも気付きました。二人が一緒になる理由は既に十分で、政略結婚であろうと年の差があろうと、結局は当人達の問題。今はさすがに姫子の子供っぽさは目立ちますが、作中でも少しずつ成長している雰囲気を感じます。数年も経てば印象も変わるでしょうし、姫子は文治の横に立てる気概はあるように思えます。
物語になると苦難も待ち受けるものですが、二人には幸せなまま突き進んでもらいたいですね。