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伏黒は呪力を持たない。気配を察知できない五条に付け入る伏黒は、五条の隙をつき喉を一突き。メッタ刺しにされた五条はその場で敗北を喫する。
理子を連れた夏油は、理子に同化をするかこのまま生きるかを選ばせる。理子の思いを受け取った夏油は天元の元から去ろうとするが、そこへ伏黒が。理子は撃たれ殺されてしまう。怒りの夏油と伏黒の戦いに。
取り込んだ呪霊を操る夏油だが、伏黒が一枚上手をいき夏油を切り裂く。
伏黒相手に、任務を果たせなかった五条と夏油。伏黒は理子の遺体を盤星教へ届けるが、そこに表れたのは五条。反転術式により肉体の再生に成功していた。
呪力の核心に触れた五条。新たに手にした力で伏黒に迫る。五条の無下限呪術は伏黒には知られていたが、五条は五条家でもあまり知られていない術式の会得に成功していた。そして、その技は伏黒の体を容易く貫いた。
一年後。五条の実力は術師最強に。
夏油は、今の自分の立ち位置と気持ちに葛藤が生まれていた。ある日特級術師の九十九と出会い、呪い根絶についての会話をする。非術師を守るために戦う自分に疑問を感じ始めた夏油。ある任務で一般人を殺し逃走。術師だけの世界を作るという夏油は、呪詛師として追われる立場になる。
五条の過去は終わり現代へ。
呪いへの内通者の疑いがあるメカ丸を訪ねる東京組だが、そこはもぬけの殻。メカ丸は自分の体を真人に治してもらう代わりに、夏油らに情報を提供していたのだった。
【感想】
まさかの五条と夏油の敗北。呪力ゼロがここまで強いというのは理屈がぶっとんでいる気がしますが、天与呪縛というのがそれほどまでに与えられた才能だということでしょうか。
理子をあっさり殺してしまうところに、作者の闇を感じますねえ…殺し方がひどすぎて…。夏油の精神がかなり揺さぶられたのは間違いなく、このエピソードは大ボスである夏油の掘り下げがメインのようなので必要な展開ではあったのかもしれません。ただ悲しい。
夏油の揺らぐ気持ちはかなり丁寧に描かれていました。ただ、この結論に至るというのは普通ならあり得ず、ド真面目な夏油だからこそこんな危うい葛藤が生まれ、間違いが生まれたのだなあと虚しくもなります。正しさって一概にはわかりませんが…五条に問いただされる夏油を見ていると、変わっちまった…と思わざるを得ませんね。
五条は一貫して五条。最強になろうが、敗北しようが、その性格は変わらず。ただ、夏油を救えなかったことを考える五条の「俺が救えるのは他人に救われる準備がある奴だけ」という台詞は印象的。何度か聞いたことのあるフレーズですが、一番響いたのは五条ですね。
台詞で言うと、九十九が夏油に言った「どちらを本音にするのかは君がこれから選択する」というのも印象深いです。こんなことを考える自分は、なんて思うことが人によってあると思いますが、そんな葛藤を吹き飛ばすフレーズ。夏油にも響いたようで、結果的に最悪のケースに発展してしまいますが。
この巻も作者の「それっぽい」理屈満載でしたね。ここまで色濃く出るものかと思うと、僕は好きですが手放しで他人におすすめし辛くなってしまうのが難点。
どこかで「鬼滅の次は呪術」みたいに言われているそうですが、作風が違いすぎて比べようがないですし、たぶん呪術はそこまで一般にはウケないと思います…。笑
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