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コズミックの配信拠点に押し掛けた雛姫とりこめろ。
コスモと出会い、スバルと連絡を取るが、そこでスバルが今彼女と一緒にいることが知られてしまい、スバルの本性が暴かれてしまう。
スバルの正体を知った雛姫とりこめろはスバルに怒りをぶちまけるが、それでも好きという感情を消すことは出来なかった。
りこめろはスバルの裏の顔を暴露系配信者に売り、スバルを社会的に殺すことに。
対する雛姫はスバルに連絡を取り、二人で会うことに。そこで雛姫は自分の感情をぶつけるが、スバルに冷たくあしらわれてしまう。
スバルのあるソロ配信の日、部屋に乗り込んだ雛姫は配信中にスバルに襲いかかり、スバルを監禁。雛姫が好きなのは目の前のスバルではなく、画面奥に存在していた「スバル」。自分の理想の「スバル」を作るため、雛姫は監禁という行動に出た。
スバルが心配なコスモはりこめろと雛姫に接触。そこでコスモは純粋な動画配信者としての気持ちを吐露する。
スバルは見つかり、コスモはコズミックの出直しを決意し、謝罪動画を配信。炎上はしたものの、新しい門出となった。
雛姫もこれまでの行動を思い直し、みんなの前で輝く「画面上のスバル」が好きだったことに気付いた。スバルにこの思いを直接伝え、以降は画面越しに応援している。
【感想】
怒濤の展開の2巻。ガチ恋の恐ろしさたるや…。
ホラー漫画か、というくらいの勢いとキャラの行動。下手なホラーより怖い。
スバルのクズさも雛姫のヤバさも、とにかくキャラの熱量が凄まじいので変な意味で手に汗握る感覚。
1巻初めの雛姫の、スバルに悶絶していたあの頃から2巻最後の達観した感じ。感情の振れ幅がデカすぎますが、何かグッとくるものが。
雛姫はあくまで「自分の好きなスバル」を作り上げていただけで、本当のスバルはろくでもないやつだったのにそれを受け入れられずにこんな大事になってしまった。
そのことを最後に気付いて、それでも気持ちの収まりどころがわからず、スバルがいなくなるのが一番嫌だから「遠くから眺めているだけ」に落ち着く。
最後のシーン、
「あの日 100万人に愛されたスバルくんが一番好き」
「ヒナだけのスバルくんはヒナの好きなスバルくんじゃなかった…」
というセリフが核心を付いていて、これに気付けただけで救われたのかなと。
か
このまま画面越しの一ファンとしていられるなら、それが幸せなのかなと思います。
実際、芸能人やYouTuber等に簡単に近づけるわけもないので、このまま何事もなくファンとして活動していくのが健全。なのに何だろ、雛姫を見ているとなんかざわざわしてしまう。
2巻を読み終わった後、1巻の雛姫を読み返すと何だか悲しくなってきた。それだけ、スバルは罪なことをしたのではないかと思います。
対照的にりこめろは、コズミックとの縁を切り新しいスタート。これはこれで一つの正解。
りこめろに関しては、スバルの正体を知って以降は自分を顧みて正気を取り戻しているようなセリフもあったので割とまともになったよう。ヒステリックな性格は中々変わらなさそうですが…。
雛姫とりこめろ、お互い別々の方法で気持ちに折り合いをつけて終わったという、スマートな完結。珍獣を眺めていただけのつもりが、結構身が入りました。
初めからキャラに引いてしまっていたら、どんな結末でもキャラの性格自体が受け入れられなくて感情が入らないかと思います。
割とそういう読者の方が多いイメージで、そうなると最後の雛姫の独白も「何言ってんだこいつ」ってなりがちですが、僕は意外とそんなこともなく、最後は少ししんみりしてしまいました。
ぶっ飛んだキャラに対して「理解不能」「感情移入出来ない」というのは、作品を評価する理由にはならないと思っているので、個人的には割と楽しめました。ちなみに理解はあまり出来てません。
しかしコスモのピュアさだけが癒しでしたが、次巻はコスモに刃が向くようで、かわいそうに…。