ダイヤのA actⅡ/ 寺嶋裕二 28巻 感想 【ネタバレあり】

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1-0のビハインドで迎えた8回。チャンスでバッターは白州。天久のボールを捉えセンター前へ。青道は土壇場で同点に追いつく。

続く御幸もチームメイトのエネルギーに背中を押され、センターオーバーのタイムリーツーベース。ここにきて試合をひっくり返す。

9回も沢村が続投。
ランナーを一人出すも、4番・星田をゲッツーにしとめゲームセット。
準決勝は2-1で青道が粘り勝ちをおさめた。

別カードでは稲実が圧勝。2年連続の同一カード、青道vs稲実の決勝戦となった。

稲実の先発は鳴宮。青道は降谷。
川上は診断の結果、決勝も回避することとなった。

夜中、バットを振っていた御幸と降谷。御幸はそこで、高校生活後の将来について初めて自分の思いを降谷に吐露する。それは、プロになりたいという思いだった。

それを端から聞いていた沢村。目の前の試合、高校での野球のみ追いかけていた沢村に、初めて聞いた御幸の思いがのしかかる。

投手にも更に上がいること、女房役としてここまでやってきた御幸の本音が降谷との会話で出たこと。

まだまだ果てしない野球人生を背負いながら、沢村は決勝に挑む。

【感想】

ついに市大三との決着。手に汗握る逆転劇。

白州と御幸のタイムリーは、今回は気持ちで押し切った感じですね。あまりに抑えられていた分、ここでやらなきゃどうするという思いが乗っかった逆転。素晴らしいです。

天久の号泣は印象的。ヘラヘラしていて何かと言い訳を付けるタイプの彼がここまで感情を露わにするくらい、気持ちが乗っていたということがとても嬉しくて、悔しい。敵ながら。

ダイヤのAは相手チームにも毎回気持ちが入る、どちらが勝っても負けても何かしら思うところがあるという、チームの掘り下げや作り込みが本当に凄いです。

決勝は稲実。まあこれは当然なのですが、去年の雪辱を晴らす最高の舞台となり、今から胸熱。

沢村の出番が気になるところですが、果たしてどうなるか。川上があまりに不憫でここに来てこの仕打ちはどうなんとも思いますが…笑
甲子園でこの悔しさは晴らして欲しいですね。

最後、御幸へのプロの思いを語るシーン。降谷とたまたまバットを振っていたから降谷に話しただけで、沢村が嫉妬することはないと思いますが…。笑

沢村は御幸との縁を強く感じているので、どうしても自分を見て欲しいという気持ちがありますね。それはまあ、仕方ない。
高校のその先、プロのことは全く考えていませんでしたね。まあ、それが沢村らしいです。そういうところ含めて、今の結果があるのだと思います。

降谷も沢村も、今を精一杯生きている。だから高校野球は熱くて面白い。あまり悩まずに目の前の試合に向かっていって欲しいです。