ダイヤのA / 寺嶋裕二 41巻 感想 【ネタバレあり】
ダイヤのA(41) (週刊少年マガジンコミックス) amazonで購入薬師vs市大三高の準決勝。
市大三が1点リードのまま試合は終盤に突入します。
薬師の攻撃、ランナーがたまり雷市に打席が。天久vs雷市。誰もが敬遠を予想する中、市大三は勝負を挑みます。
結果、渾身のスライダーで空振り三振。強打者を打ち取り自信をつける天久。
その勢いそのままに、次打者、真田。ストレートを打たれていた天久は、このままでは終われないとストレートで決着を付けようとしますがこれが裏目に。
ストレートに狙いを定めていた真田は逆らわず打ち返し逆転のタイムリー。
そのまま試合は終わり、薬師の勝利となりました。
決勝は青道vs薬師。
薬師とは練習試合のリベンジ戦。
先発を予定した降谷は足の調子が戻らずドクターストップ。川上が先発に抜擢されます。
泣いても笑ってもあと一試合。
秋大会決勝が始まります。
【感想】
市大三、敗れる。天久、打たれましたね。また、色気付いた結果が一番大きな悔いの残る結果に。それとも、納得の上でのボールでしたでしょうか。
天久の場合は驕りからきたもので、真田を格下と見たが故の失投でした。これは打たれる、打たれるべくして。
興奮を味わいたい、勝負が楽しい、負けたままでは終われない、この気持ちは誰もが同じものを持っていますが、天久の場合は、勝負を急ぎすぎました。
自らの意志で部を離れていた天久に、ダメージの残る敗戦。成孔の小川に対して、「自分が打たれて負けるってどんな気持ち?」と宣った、傲慢さがブーメランとして返ってくるかたちに。
この経験を武器として成長するか、また部から離れるのか、あとは天久の気持ち次第。
正解はありませんが、少なくとも人間として乗り越えなければいけない壁であることは確かです。
また、前巻で引っ張った落合コーチの片岡監督への問いかけ、エースのプライドか、チームの勝利か…
片岡監督は、チームの勝利がもちろん重要だが、「選手は監督のコマではない」と言い切ります。
あくまで指示を出すのは監督ですが、プレーするのは選手達、そのことを忘れてはいけない、と落合コーチも目から鱗の落ちる返答。
確かに、指揮官としてどういう選択をするか、その選択そのものに意味を見出しがちですが、重要なのは選手を見ること。
選手も当然、人間。考えもあり、気持ちもあります。監督が選手を操り人形のように操作するチームが果たして強くなれるのか。
落合コーチにはそもそも、大きなものが欠けていました。監督にこんな質問をぶつけた時点で、器が違った。
まあでも、落合コーチも嫌いではないです。理屈重視過ぎるところはあっても、認めるところは認めるし反省するところは反省する人です。
ただ、片岡監督とは合わなかった、それだけです。いろんな監督がいますからね。
青道は降谷の穴が痛いですが、ついに川上が…。
沢村も当然出番はあるでしょう。しかし、本当に降谷は出ないのだろうか…?
薬師には練習試合で負けていますので、雪辱を晴らすタイミング。勝てば優勝。監督の進退もかかります。
47巻が最終なので、おそらく第一部はこれで終わりでしょう。
ここまで、途切れることなく面白い。
このまま突っ走ってもらいたいですね。