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運命の日本ダービーのレースがスタート。サクラチヨノオー、メジロアルダン、ヤエノムテキ等実力の拮抗する中、ゴールを一番に駆け抜けたのはサクラチヨノオー。
オグリキャップは、日本ダービー出場は叶わず、NZTでのレースを一着で終えたところだった。
クラシック登録を逃し、会長自ら直談判をするも結果は覆らなかった。しかし、伝統あるルールの改定を検討することになるという、オグリキャップが与えた影響は確かに大きなものだった。
レースをすれば全てにおいて結果を出すオグリキャップ。しかし、宝塚記念で目の当たりにしたタマモクロスの走りにオグリは身震いする。そこには、最強のウマ娘がいた。
GⅡの毎日王冠。出走予定のオグリにとって、天皇賞での戦いを控えた前哨戦。負けるわけにはいかないレース。
ライバル達がひしめき合う中、オグリは明らかに警戒されていた。
レースがスタートするもまず、オグリは好きなように走れない。注目されたオグリは完全にマークされていた。
ルートを失ったオグリ。しかし諦めずに、誰よりも外から一気に駆け抜ける。その加速はずば抜けていた。怪物と呼ばれ始めたオグリの、本物の怪物たる速さを見せつけたレースとなった。
カサマツの北原は東京に訪れていた。天皇賞に向けて直接顔を見せにきた北原。カサマツのみんなの思いも乗せて、オグリを応援する。
始まった天皇賞。最強と呼ばれるタマモクロスとの本気のレースにオグリは燃えていた。
【感想】
日本ダービーの描写はまんまとやられました。
オグリキャップがあたかもダービーを走っているような演出、途中で少し混乱してしまいましたが、オグリの無念さや寂しさが、結果の電光掲示板を見つめる後ろ姿からひしひしと感じて、ああ、こういうのも良いなと。
シンボリルドルフの幻想と言いますか、誰もが夢見たレースを、文字通り夢に見たというような演出。
史実でも実際には走れていないようで、それを知ってるかどうかで読み方も違ったかもしれませんが、僕は全く知らないので騙されましたね。
ただ、結果的に日本ダービーは走れずとも、まだまだ強いライバルはいて、次の目標は天皇賞でタマモクロスを倒すこと。
途中の毎日王冠では、あんだけマークされながら悠々と抜き去っていくという、もう負ける気がしないオグリ。このレースは何だか、オグリの段違いのレベルを見せつけられただけであまり得られるものがなかったな…という印象です。
3巻までは、勢いだけではなく勝つまでの気持ちだったり作戦だったりが感じられましたが、毎日王冠はごり押しだったので、オグリが単純に実力差で圧倒的だということがわかっただけ。
次のタマモクロス戦は、確実に一筋縄では行かないはずですが、どういったレースになるのか。
もう始まるところで4巻は終わるので特に伏線などはなかったですが、気合いと今の馬力でいけるのか…?
今作の一番の見所は、ライバルとの煽り合いだと思っています。
タマモクロスとオグリキャップ、お互いバチバチなのでもっとこのバチバチ感を出してもらって、レースで弾けて欲しいですね。