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とある人の回想から話は始まります。
かつてあったミラーハウスという館。キャサリンという女性に仕える侍女の語り。
館にある日、どこからか現れたモーフが館中の人々に襲いかかるという事件が起こります。
人間が主体となって起こされた事件のようですが、キャサリンとその侍女はとにかく逃げて逃げて、館から抜け出します。
しかしモーフに襲われてしまったキャサリンは真っ黒なモーフのような状態になってしまうのでした。
お腹に子供がいたキャサリン。その侍女は動かなくなったキャサリンを匿い、ひっそりと生活を続けていました。そして50年が経ったある日、子供が産まれます。
侍女はその子をケイトと名付け、自分の孫として育てるとこととしました。
ケイトの生まれはこういうことだったのですね。現シャドーハウス、元はミラーハウスと呼ばれていた館に住む女性の子。シャドーハウスから抜け出していたから、館の外でエミリコと出会ったんですね。
ケイトは初めから真っ黒だったわけではなく人間として生きていて友達もそれなりにいましたが、ある時からすすの浸食が始まり、真っ黒になってしまいました。
もう普通の人間のようには暮らせなくなり、侍女から自分の生まれを聞かされたケイトは、自分の居場所はミラーハウスにしかないと考え単身で館に乗り込むことに。
多感な時期に突然知った現実。これは辛い。お母さんはすぐ死んでしまったようですが、育ててくれた侍女を残して出てしまうというのも辛い展開。
かつてミラーハウスと呼ばれていた館は、シャドーハウスと呼ばれるようになっていました。ミラーサイドに着いたケイトは、選別会のことを知ります。
エミリコと出会ったのはこのとき。黒い布を借りて、偶然見つけた他のモーフに紛れ込み列車に乗り込んだケイトは、そこで村の子供たちがシャドーハウスにより洗脳されていく様子を目の当たりにします。
ケイトは生き人形が元人間で洗脳されていたということは知ってたんですね。モーフを擬態させてペアを作っているという館の思惑も。
正直ここまで知ってるとなると1巻の時点からシャドーハウスへの敵意というものがあったということで、そこまでケイトに意志があったとは思わなかったですね。もう一回読み返したい。
ここでケイトはエミリコに擬態したフリをすることでシャドーハウスに紛れ込みます。
徐々に洗脳されていくエミリコを見て、必ず助け出すと心に決めたケイト。シャドーハウスの闇の部分を知り、ミラーハウスを取り戻すことを決意しました。
生き人形として出来上がり名前がなかったエミリコに、「エミリコ」と名付けたケイト。由来は、育ててくれた祖母「エミリー」から。
洗脳される前の記憶を少しずつ取り戻していたエミリコに、ついにこの事実を伝えたケイト。島の外からやってきた「想定外」の存在であるケイトは、その利を活かしシャドーハウスの悪事に立ち向かうことを改めて決意します。
この巻ではケイトの生い立ちが明らかに。回想シーンばかりでしたが、これまでの謎が一気に回収される気持ちのいい巻。
元は人間だった、というところが他のシャドーと明らかに違う点で、擬態しているわけではなく、ケイトはケイトということ。
「自分は自分、一つの個体である」という、分身がはびこるシャドーハウスで重要な意識です。エミリコや仲間たちの洗脳が解け、戦いはこれから。子供たちの幼い力でどうやって大人たちに向かっていくのか、以降も楽しみです。