鬼滅の刃 / 吾峠呼世晴 22巻 感想 【ネタバレあり】

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無惨と柱達との激しい攻防が続く。
伊黒の過去。鬼に支配された家で、生け贄にされるために育てられた経緯を持つ伊黒。家の者を見殺しにしてまで生きながらえた伊黒は、鬼狩りとしてそのやり場のない気持ちを鬼に向けていた。
そこで出会った甘露寺の明るさや素直さに惹かれ、想いは強くなっていた。

これまで成果を上げられていない伊黒は、人一倍のやる気を漲らせ、刀身を赤くすることに成功する。
しかし、神経を使いすぎたため無防備となりピンチに陥るが、姿の見えないものに助けられる。その者たちは無惨へ有効な攻撃を与え続ける。無惨は、感知し、姿の見えない三人を捉える。カナヲ、伊之助、善逸だった。

柱達は各々の方法で無惨に対抗する。刀身を赤くし、透き通る世界を見、無惨を斬り落とす手段を探す。しかし、その抵抗虚しく、無惨の前にみな倒れてしまう。そこへ、回復も間もない炭治郎が現れる。顔には無惨からの傷が残ったまま。

ヒノカミ神楽の呼吸、十二の型を繋ぐことで十三の型が現れる。炭治郎はひたすら、型を繋ぐことを意識し無惨へ刀を振り続ける。
無惨は、炭治郎を仕留めきれない。何やらおかしい。違和感の正体を探ると、やはり珠世の薬。人間に戻す薬の他、老化を進行させる薬だった。戦いが始まってから、無惨は既に九千年老いていた。

伊黒はボロボロになりながらも炭治郎のサポートに周る。無惨に表出した傷は、過去に縁壱がつけたもの。現代になっても、無惨を苦しめる縁壱の力が炭治郎達を勝利へと導く。

確実に弱くなっていく無惨は、逃亡を選択。生きることだけに固執する無惨の、当然の如き選択。それでもなお、追い続ける炭治郎たち。無惨は、逃げ切る体力も残っていないほどに消耗し始めていた。

場面は変わり、禰豆子は走り出していた。
これまでの記憶が頭を駆けめぐる。無惨への怒り、友達の優しさ、炭治郎への想い、全てが交差し禰豆子はついに、自我を取り戻した。

逃げ続ける無惨。分裂をしようとするも、それも出来ない。これも珠世の薬の効果だった。人間返り、老化、分裂阻害、加えて細胞破壊の薬が効いてきた。永く生き続けてきた無惨に、ついに死が近付いていく。

【感想】

無惨との戦い。柱達はここまで決死の覚悟で臨みますが、やはり強すぎた無惨。
前半は柱との攻防が続きますが、結果的にはほとんど無惨にダメージを与えられることなくやられてしまいました。

そこへ戻ってきた炭治郎のヒーロー感たるや。顔がえげつないことになっていますが、これでこそ主人公。

 

鬼滅の刃 22巻 191話

無惨が唯一恐れた縁壱の型を受け継ぐ炭治郎が、無惨にとって最大の脅威。それをわかっている炭治郎は、無惨を倒すための方法を探り、それこそが受け継がれてきたヒノカミ神楽の十三の型でした。

縁壱があくまでも最強だった、というのは無惨もこぼしていて、これは少し新鮮。無惨でもこんな負けを認めるような発言するんだなと思いました。

 

鬼滅の刃 22巻 195話

しかし…炭治郎のヒノカミ神楽も重要ですが、とにかく珠世の薬が強力過ぎます。老化の薬って、無惨だからいいですけど、一分で五十年老いるって怖すぎますね。この薬のおかげで柱達の食い止めも多少成功していたということになっており、珠世さまさま。

 

鬼滅の刃 22巻 193話

しかも、老化に加え分裂阻害と細胞破壊。この二つは大雑把な感じであれですが、何年もこの時のために開発してきたものですので無惨の性格や性質を理解した上での調合なのでしょう。ドンピシャではまり、ついに追いつめていく、というところで次巻へ。

 

鬼滅の刃 22巻 196話

この巻は無惨をじわりじわりと削っていく、クライマックスの前の波が引いている時の感覚。薬云々は突然のことで、これは果たして有りなのかと思いもしましたが、珠世はもう何百年もひっそりと身を隠しながら無惨を殺す術を考えていたわけで、ない話ではないなと思っています。効果が限定的なので突発的な印象が拭えませんが、縁壱が斬った時に目の前で分裂されて逃げられているわけですから、珠世がそこをクリアにするのはある種当然ですよね。出来てしまうのが凄いのですが。

諸々気になる点はありつつも、それを凌駕するほどの緊迫感は中々のものです。ついに、次がラストですね。待ってます。

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