怪獣自衛隊 / 井上淳哉、企画協力:白土晴一 1巻 感想

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令和X年、太平洋沿岸で発生した地滑りによる大津波。この大災害の一ヶ月後、日本最南端の沖ノ鳥島でそいつは現れた。

島からの救援要請を受け動く海上自衛隊。そこで見たものは、巨大な化け物。艦隊を敵と見なし突っ込んでくる化け物に対し、慎重な艦長は為す術なく化け物の攻撃を受け船は大破。大勢の自衛官が犠牲となった。

時は流れ四年後…尖閣諸島付近で例の化け物が現れる。日本と中国の間でデリケートな区間での化け物出現に各国対応が鈍くなり、中国船団は化け物の餌食に。

その尖閣諸島以南200kmを走行中のクルーズ船、富岳。自衛官勤務が決まり防衛大を卒業したばかりの防人このえは、祖母とクルーズ船へ食事に来ていた。過去、災害に遭い動けなくなっていたところを自衛官に助けられ、人々を守る自衛官に憧れその夢を叶えていた。

尖閣諸島で暴れた化け物は、南へ移動し富岳へ近付きつつあった。政府は対応を急ぐが、自衛隊の派遣には消極的。そうこうしている間に、化け物は富岳の目の前まで現れてしまった…。

【感想】

BTOOOM!の井上淳哉さんの新作。協力に白土晴一さん。自衛隊vs怪獣の一大スペクタクル。

1話の前に、プロローグがあり。ここでは舞台設定と説明がメイン。ここで出てきた自衛隊の人、今後も出てくるのではと予想できます。その友人はフラグをめちゃくちゃ立てていましたね…。

本編は、防衛大を卒業したばかりの女の子、このえが主人公。自衛官に助けてもらった過去があり、正義感が強く勇気もある彼女が、パニックに陥る船内で果敢に働く勇姿が見られます。

 

怪獣自衛隊 1巻 1話
怪獣自衛隊 1巻 1話

しかし、その怪獣の圧倒的なパワーはとても人間では太刀打ちできず…自衛隊どころではないような気がしますが、何か特別対策を立てないといけないところ、政府はなんだかふわふわして頼りない。プロローグの4年前の教訓は何だったのかという不甲斐ないトップたちを後目に、現場ではどんどん惨劇が起きます。

少しグロい描写もあり、怪獣にやられていく様は恐怖心を煽ります。怪獣のビジュアルも異様で、人を食う触手が気持ち悪い。こんなのウルトラマンでもいないと勝てないのでは。

 

怪獣自衛隊 1巻 1話

1巻はパニック描写とこのえの活躍がメイン。怪獣が出てきた原因と経緯や正体は丸っきりわからず、緊迫感のみで耐えているといった感じです。

勝ちようのない怪獣に対して、ここから人間がどう立ち向かっていくのかという点では続きは気になります。タイトルは海上自衛隊とかけているのでしょうが、怪獣に対する専門の自衛隊が現れるのか…政府は何かしらの対応を進めているのか…その辺りも注目したいところです。

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