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呪術高専に転入した乙骨優太。強力な呪いに呪われており、一時は死刑も言い渡されるが、五条の計らいもあり呪術師として呪いを扱えるようになるために高専への入学が決まった。
クラスメイトの真希、棘、パンダと共に、自身の呪いを扱う訓練に励む乙骨。
ある小学校での生徒失踪事件解決のため真希と共に学校に乗り込み、大元の呪いを乙骨の呪いの力で祓うことに成功する。
乙骨の呪いの正体は、かつて結婚を約束した幼なじみの女の子、里香。乙骨の目の前で事故で亡くなり、以降呪いとして乙骨に付きまとうことになった。
その里香の呪いは特級と呼ばれる強力な存在。里香を狙い、動いたのが呪詛師として活動する夏油とその一派だった。
非術師を皆殺しにして術師の世界を作ることが目的の夏油は、乙骨の力がどうしても必要だった。学校に乗り込んできた夏油は真希達を戦闘不能に。五条は別の場所で足止めを食らってしまい、夏油と乙骨の戦いが始まる。
友達を傷つけられた乙骨の怒りは計り知れず、里香と自身の強力な呪力を使いこなし夏油と対等に渡り合う。最終的に、里香への愛を力に変え、里香の能力を最大限に引き出し放出、夏油に勝利する。
満身創痍のまま逃げ切った夏油だが、そこで五条に出会う。かつて親友同士だった二人は最後の言葉を交わし、五条は夏油にとどめを刺した。
戦いは終わった。
乙骨の祖先を辿ると、超大物呪術師にたどり着いた。里香の呪いは、実は乙骨の思いによってかけられたものだった。乙骨がその思いを振り切ったことから、里香の呪いは解呪される。里香の思いを胸に、乙骨は再び高専の仲間と歩き出す。
【感想】
呪術廻戦の前身である、月刊連載の単行本。「0巻」として、呪術廻戦連載開始後に単行本が発売されました。
呪術廻戦では初めからこの0巻を前日譚としていたため、これを読まないとわからない部分というのがあり、本編をちゃんと読むならこの0巻もセットで読んだ方がいい、という内容でした。
短期連載としてはかなりまとまっていて、ぶっちゃけ本連載より面白いのでは。細かい設定を省いてエモーショナルな側面が強いストーリーなので、本編もこの体でいけばもっと万人受けしたんじゃないかなあと思いますが…。笑
乙骨の存在、夏油の企みと一派の存在。そして、夏油と五条の関係と夏油の最期。本編の補完と言うよりは、呪術廻戦のシリーズとして読むべき単行本。キャラデザがかぶっていたり、少しブレていたりもしますがそこまで違和感なく読めました。
絵は線の一本一本しっかり描かれていて、今とは全然違うタッチで読みやすい。最近は雰囲気はあるものの読みづらさもあるのでどっちが良いとは一概には言えませんが…。
あとがきでなるほどと思った部分があるのですが、簡単に言うと「作品のテーマは決めずになんとなくの連続で描いている」というもの。ご本人がそう言ってくれて、凄く腑に落ちたというか胸がすいたような気持ちになりました。
まさに連載がそうなっていて、それが良いか悪いかは読者の感性によりますが、僕はそれで大いに結構というスタンスの読者。そこで無理に考察するタイプでもないので、その「なんとなく」をなんとなく感じていられれば良いというくらいのライトな漫画読み。
呪術廻戦は雰囲気や戦闘の迫力、中二感満載の技とセリフ、これで保っている作品だと思っていますが、このクオリティが半端なく高い。
ストーリーや伏線や心揺さぶる感動的なシーンなどは正直あまり期待できていなくて、そこに重きを置く読者には受け入れられにくいのかなあと思いつつ…僕は僕の読み方で今後も読み続けそうです。